
重量物荷役の安全対策とは?天井クレーンと遠隔操作技術から考える安全な物流現場
大型機械や重量物を取り扱う物流現場では、作業効率以上に優先しなければならないものがあります。
それが安全です。
数tから数十tにもなる重量物を扱う作業では、わずかな確認不足や判断ミスが重大な事故につながる可能性があります。
そのため、
「大型クレーンがあるから安全」
「遠隔操作できれば事故を防げる」
という単純な考え方では十分ではありません。
重要なのは、
設備・資格・玉掛け・作業位置・貨物情報・周囲確認
などを組み合わせ、重量物荷役全体として安全を確保することです。
群馬県伊勢崎市を拠点とする中一陸運株式会社では、駒形・伊勢崎・太田(藪塚)の3拠点に重量物クレーン倉庫を展開しています。
今回は、天井クレーンによる重量物荷役で確認したい安全対策と、近年注目されている遠隔操作技術について解説します。
重量物荷役ではなぜ安全管理が重要なのか
一般的なパレット貨物と大型・重量貨物では、荷役方法が大きく異なります。
例えば、
大型機械
産業設備
金型
鋼材
長尺物
重量機械部品
などは、貨物条件によって一般的なフォークリフトだけでは取り扱いが難しい場合があります。
そこで使用されるのが天井クレーンなどの荷役設備です。
貨物を上から吊り上げられることは大きなメリットですが、その一方で、
吊り荷の落下
荷振れ
周辺設備との接触
作業者との接触
玉掛け方法の不備
などに注意する必要があります。
重量物物流では、単に「吊り上げられるか」ではなく、安全に吊り上げ、安全に移動し、安全に下ろせるかまで考えることが重要です。
天井クレーンとは?
天井クレーンは、建物上部などに設置された走行レールを利用して貨物を移動させるクレーンです。
重量や形状によってフォークリフトでの取り扱いが難しい貨物でも、条件が合えば上部から吊り上げて荷役できます。
大型機械や重量部品などを扱う倉庫では重要な設備の一つです。
ただし、
「20tクレーンなら20t以下の貨物を何でも安全に吊れる」
という意味ではありません。
実際の荷役では、
貨物重量
寸法
形状
重心
吊り位置
使用する吊り具
周囲の作業スペース
などを確認する必要があります。
安全対策1.貨物の重量だけで判断しない
重量物荷役で最初に確認したいのが貨物情報です。
例えば、
「この機械は15tです」
という情報だけでは、安全な荷役方法を十分に判断できません。
同じ15tでも、
重心が中央にある機械。
片側に重量が集中している機械。
縦長の設備。
横に長い設備。
それぞれ条件が異なります。
そのため、
重量
全長・全幅・全高
重心位置
吊り位置
梱包状態
メーカー指定の荷役方法
などを事前に確認することが重要です。
安全対策2.玉掛けを適切に行う
クレーン作業で非常に重要なのが玉掛けです。
玉掛けとは、クレーンのフックなどに貨物を掛けたり外したりする作業を指します。
どれだけ高性能なクレーンを使用していても、玉掛けが適切でなければ安全な荷役にはつながりません。
貨物の、
重量
形状
重心
吊り位置
などを考慮し、条件に適した方法を検討する必要があります。
重量物物流では、
クレーン操作と玉掛けを別々の作業として考えないこと
が重要です。
安全対策3.吊り荷の下を「安全な作業場所」にしない
クレーン作業では、吊り荷周辺の作業者配置も重要です。
厚生労働省の「クレーン等安全規則」では、一定の条件下で、吊り上げられている荷の下への立ち入りを禁止する規定があります。
つまり安全対策では、
「作業者がどこに立つのか」
まで考える必要があります。
「吊り荷が落ちないようにする」だけではなく、
万一の異常が発生した場合にも人が危険へ巻き込まれにくい作業環境をつくる
という考え方が重要です。
安全対策4.荷振れを考える
クレーンで重量物を移動すると、貨物が振れることがあります。
急な操作を行えば、荷振れが大きくなる可能性があります。
重量物が振れれば、
建物
設備
保管貨物
作業者
などとの接触リスクも高まります。
そのためクレーン作業では、
吊り上げる
だけではなく、
移動する
停止する
所定位置へ下ろす
までを一連の作業として考える必要があります。
安全対策5.周囲の作業者との連携を考える
重量物荷役は、クレーン操作者だけで完結するとは限りません。
玉掛けを担当する人。
周囲を確認する人。
トラック側で作業する人。
複数の作業者が関係するケースがあります。
そのため、
誰が操作するのか
誰が合図するのか
誰が周囲を確認するのか
を曖昧にしないことが重要です。
機械の性能だけではなく、人と人との情報共有も安全設備の一部と考える必要があります。
注目される天井クレーンの遠隔操作技術
近年、製造業や物流現場では、クレーンの遠隔操作・リモート操作技術も注目されています。
従来の操作方式に加えて、無線操作やカメラ、センサーなどを組み合わせ、操作者がクレーン本体から離れた位置で状況を確認しながら操作する技術があります。
こうした技術には、
操作者の位置を選択しやすくする
視認性を補助する
危険箇所との距離を確保する
など、安全性や作業性を向上させる可能性があります。
一方で、重要な注意点があります。
「遠隔操作=安全」ではない
遠隔操作技術を導入しただけで、クレーン作業が自動的に安全になるわけではありません。
例えばカメラ映像だけでは、
死角
奥行き
貨物との距離
などを把握しにくい場合があります。
また、遠隔操作であっても、
玉掛け
吊り荷の確認
周囲の作業者確認
貨物重量・重心の確認
作業エリアの安全確保
などは依然として重要です。
したがって、
遠隔操作技術は安全を支援する手段の一つ
と考えることが適切です。
中一陸運が遠隔操作クレーンを導入しているとは限らない
中一陸運では、天井クレーンの遠隔操作技術について情報発信を行っています。
ただし、現時点で公式の倉庫設備情報から確認できるのは、
20tホイスト式天井クレーン
20t天井クレーン
40t・5t橋形クレーン
などの設備です。
遠隔操作システムを自社倉庫へ導入していることまでは、公式情報では確認できません。
そのため本記事では、遠隔操作を物流・製造業で注目されている技術として紹介しています。
中一陸運の重量物クレーン倉庫
中一陸運では、群馬県内の3拠点で重量物に対応するクレーン倉庫を展開しています。
駒形物流センターC棟
前橋市にある駒形物流センターC棟は、2022年1月に開設された重量物クレーン倉庫です。
倉庫面積:500坪
250坪×2区画
20tホイスト式天井クレーン:2基
を備えています。
駒形物流センターは北関東自動車道・駒形IC出口に隣接しています。
伊勢崎重量倉庫
伊勢崎市三室町にある重量物倉庫です。
倉庫面積:258坪
20t天井クレーン
を備えています。
藪塚物流センター
太田市にある藪塚物流センターは800坪の重量倉庫です。
A棟には、
40t・5t橋形クレーン
B棟には、
20t・5t天井クレーン
を備えています。
中一陸運の公式サイトでは、重量物クレーン倉庫について有資格者による安全確保を行い、保管・荷役に対応していることが案内されています。
クレーンとフォークリフトは貨物に応じて考える
重量物を扱うからといって、必ず天井クレーンを使用するわけではありません。
貨物によってはフォークリフトが適している場合があります。
中一陸運の駒形物流センターでは、
8tフォークリフト
4tフォークリフト
2.5tフォークリフト
1.5tリーチフォークリフト
などが案内されています。
重要なのは、
「クレーンかフォークリフトか」
という二者択一ではありません。
貨物の重量・寸法・形状・重心・荷姿などを確認し、適切な荷役方法を検討することです。
安全は「設備」だけではつくれない
物流DXが進むにつれ、
カメラ
センサー
遠隔操作
自動化
など、安全を支援する技術は今後さらに進化していくと考えられます。
しかし、どれだけ設備が高度化しても、
貨物情報を確認する
適切に玉掛けする
周囲を確認する
危険な場所へ立ち入らない
適切な作業方法を選ぶ
という安全の基本が不要になるわけではありません。
最新技術と現場の安全確認は、どちらか一方を選ぶものではありません。
技術+設備+人の判断
を組み合わせることが重要です。
重量物倉庫を選ぶときは「安全」を確認する
重量物を預ける物流会社を選ぶ際には、料金や倉庫面積だけでなく安全面も確認しましょう。
確認したいポイントは、
クレーン能力
フォークリフトなどの荷役設備
有資格者による作業体制
貨物重量・寸法への対応
玉掛け条件
トラックへの積み降ろし方法
保管後の輸送体制
などです。
特に大型機械では、
「倉庫に入る」=「安全に保管・荷役できる」
とは限りません。
事前に貨物条件を物流会社へ伝えることが重要です。
保管から輸送まで考える重量物物流
重量物物流では、倉庫内の安全だけを考えればよいわけではありません。
例えば、
工場
↓
トラック・トレーラー
↓
クレーン倉庫
↓
荷降ろし
↓
保管
↓
再びクレーンで積み込み
↓
目的地へ輸送
という一連の工程があります。
それぞれの工程で貨物を動かすため、工程間の情報共有が重要になります。
中一陸運では、重量物クレーン倉庫だけでなく運輸事業も展開しています。
保管と輸送を一つの物流工程として考えられることは、重量物物流を検討する際のポイントの一つです。
60年以上の物流経験を安全につなげる
中一陸運株式会社は1963年の設立以来、60年以上にわたり物流事業を展開してきました。
現在では、
一般倉庫
重量物クレーン倉庫
輸送
流通加工
海上コンテナ輸送
輸出用木材梱包
など、幅広い物流サービスを展開しています。
物流設備や安全支援技術は今後も進化していきます。
しかし、重量物物流において変わらないものがあります。
それが、
「安全を最優先に貨物を取り扱う」
という基本です。
「Only One Nakaichi」で重量物物流を支える
重量物物流に求められるのは、大きなクレーンだけではありません。
適切な設備。
適切な作業方法。
有資格者による荷役。
貨物情報の共有。
保管から輸送までの連携。
こうした複数の要素を組み合わせることが、安全な重量物物流につながります。
中一陸運では、駒形・伊勢崎・藪塚の重量物クレーン倉庫と運輸事業を組み合わせ、貨物条件に応じた保管・荷役・輸送を提案しています。
「これからもずっと Only One Nakaichi」
中一陸運株式会社は、60年以上培ってきた物流経験と重量物に対応する設備を活かし、安全を重視した物流サービスを支えてまいります。
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