
工場で使用される大型機械。
製造設備の重要部品。
鋼材や長尺物。
こうした大型・重量貨物は、一般的な商品物流と同じ方法で取り扱えるとは限りません。
数tから数十tにもなる重量物では、
どう運ぶか
だけでなく、
どう積み降ろすか
どこで保管するか
どの設備で荷役するか
保管後にどう次の目的地へ運ぶか
まで考える必要があります。
つまり重量物物流とは、単なる「大型トラックによる輸送」ではありません。
搬出・輸送・荷役・保管・再出荷までを一つの物流工程として設計することが重要です。
群馬県伊勢崎市を拠点とする中一陸運株式会社は、20t・40tクラスのクレーン設備を備えた重量物物流拠点を展開しています。1963年の設立以来、60年以上にわたり培ってきた物流経験を活かし、保管・輸送・流通加工を組み合わせた物流サービスを提供しています。
今回は、製造業や大型設備に関わる企業が知っておきたい「重量物物流」の考え方を解説します。
重量物物流とは?
重量物物流とは、一般的な貨物と比較して重量・寸法・形状などの条件が特殊な貨物を取り扱う物流です。
例えば、
大型産業機械
製造設備
大型機械部品
金型
鋼材
長尺物
などが対象になる場合があります。
ただし、
「○t以上なら重量物」
という単純な線引きだけで判断するものではありません。
同じ重量でも、
背が高い。
横幅が広い。
非常に長い。
重心が偏っている。
吊り位置が限定されている。
といった貨物では、必要な荷役方法や輸送条件が変わります。
そのため重量物物流では、重量+寸法+形状+重心+荷役条件を総合的に考える必要があります。
大型機械は「運べれば終わり」ではない
例えば工場から大型機械を搬出し、外部倉庫で一時保管するとします。
物流工程を整理すると、
工場から搬出
↓
トラック・トレーラーへ積載
↓
倉庫へ輸送
↓
荷降ろし
↓
倉庫内で荷役
↓
保管
↓
出庫
↓
車両へ再積載
↓
次の工場・納品先へ輸送
という流れになります。
ここで重要なのは、一つでも対応できない工程があると物流がつながらないことです。
「大型トレーラーを手配できる」
だけでも、
「20tクレーンがある」
だけでも十分とは限りません。
重量物物流では、貨物が出発地点から次の目的地へ到着するまでの全工程を確認することが重要です。
重量物物流で最初に確認するのは貨物情報
大型機械の物流を相談するとき、
「機械が1台あります」
だけでは具体的な物流方法を検討できません。
最低限確認したいのは、
重量
全長
全幅
全高
形状
重心
吊り位置
荷姿
などです。
さらに、
現在どこに置かれているのか
どこへ運ぶのか
どのような車両で搬出できるのか
いつまで保管するのか
といった条件も重要です。
大型設備であれば、写真や図面、仕様書などを用意しておくと条件を整理しやすくなります。
「20tクレーン=20tの機械なら何でも扱える」ではない
重量物倉庫を探す際、クレーンの最大荷重は重要な情報です。
しかし、
「20tクレーンだから20t以下なら何でも大丈夫」
という考え方には注意が必要です。
実際の荷役では、
貨物重量
吊り具などを含めた条件
重心位置
吊りポイント
貨物の形状
作業スペース
などを確認する必要があります。
例えば重量がクレーン能力の範囲内でも、適切な吊り位置を確保できなければ、想定していた方法で荷役できない場合があります。
クレーン能力は重要ですが、荷役可否を判断する条件の一つとして考えることが必要です。
フォークリフトでは難しい貨物を天井クレーンで荷役
一般的な物流倉庫では、フォークリフトが荷役の中心となります。
しかし大型機械や長尺物などでは、
フォークを差し込む位置がない
重心が特殊
貨物が大きい
などの理由から、フォークリフトだけでは取り扱いが難しいケースがあります。
そこで活躍するのが天井クレーンや橋形クレーンです。
貨物を上部から吊り上げられるため、条件が合えば大型・重量貨物の荷役に利用できます。
一方、すべての重量物をクレーンで扱う必要があるわけでもありません。
重要なのは、
貨物条件に合わせて適切な荷役設備を選択すること
です。
中一陸運の重量物物流拠点
中一陸運では、群馬県内に複数の重量物対応物流拠点を展開しています。
駒形物流センターC棟
前橋市にある駒形物流センターC棟は、2022年1月に完成した重量物クレーン倉庫です。
倉庫面積:約500坪
250坪×2区画
20tホイスト式天井クレーン:2基
を備えています。
駒形物流センターは、北関東自動車道・駒形IC出口に隣接しています。
大型機械や重量物の物流を考える場合には、クレーン能力だけでなく、倉庫から次の輸送へつなぐ道路アクセスも重要です。
伊勢崎重量倉庫
中一陸運の本社がある伊勢崎市三室町には、伊勢崎重量倉庫があります。
約258坪の倉庫で、20t天井クレーンを備えた重量物対応拠点です。
太田藪塚物流センター
太田藪塚物流センターは約800坪の重量倉庫で、
A棟:40t・5t橋形クレーン
B棟:20t・5t天井クレーン
などの設備を備えています。
中一陸運の沿革でも、2015年に藪塚物流センターA棟へ40t橋形クレーンを装備したことが確認できます。
大型機械は「保管スペース」だけで倉庫を選ばない
一般貨物であれば、
「何坪空いているか」
が倉庫選びの大きな条件になります。
しかし重量物の場合は、面積だけでは十分ではありません。
確認したいのは、
クレーンなどの荷役設備
搬入口
貨物の高さ・幅
トラック・トレーラーの搬入条件
荷降ろし位置
倉庫内の作業スペース
などです。
例えば十分な空きスペースがあっても、大型機械を安全に搬入できなければ保管場所として利用できません。
重量物倉庫は、
「置けるか」ではなく「安全に入れて、安全に出せるか」
という視点で選ぶ必要があります。
大型トラック・トレーラーからの荷降ろしまで考える
大型機械の物流では、倉庫内だけでなく車両と倉庫の接点も重要です。
工場から大型貨物を輸送してきても、倉庫到着後に適切な方法で荷降ろしできなければ物流は止まってしまいます。
そのため事前に、
使用車両
貨物重量
積載状態
荷降ろし方法
クレーンとの位置関係
などを確認する必要があります。
特に重量物では、
「輸送会社」と「倉庫会社」の情報共有
が重要です
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