
物流を取り巻くルールが大きく変わっています。
2024年4月には、トラックドライバーにも時間外労働の上限規制が適用され、いわゆる「物流2024年問題」が大きく注目されました。
しかし、物流改革は2024年で終わったわけではありません。
2025年度には、物流効率化法に基づき、すべての荷主・物流事業者などに物流効率化のための取り組みに関する努力義務が課されました。
さらに2026年4月からは一定規模以上の荷主・物流事業者が「特定事業者」として指定され、中長期計画や定期報告などが義務化されています。
つまり、これからの物流改革は、
「運送会社だけが対応する問題」
ではありません。
荷主企業、倉庫事業者、運送事業者など、物流に関係する企業が協力して、
荷待ち時間
荷役時間
積載率
物流拠点
輸送方法
などを見直すことが求められています。
群馬県伊勢崎市を拠点とする中一陸運株式会社は、1963年の設立以来、60年以上にわたり物流事業を展開し、保管・輸送・流通加工を組み合わせた物流サービスを提供しています。
今回は、2026年の物流関連制度を踏まえながら、企業がこれから取り組みたい物流効率化について考えます。
物流2024年問題の「その後」が重要
物流2024年問題では、トラックドライバーの時間外労働の上限規制が注目されました。
しかし本質的な課題は、
「ドライバーの労働時間だけを短くすれば解決する」
というものではありません。
物流には、
荷物が完成するまでの待ち時間
トラック到着後の荷待ち
積み込み・荷降ろし
倉庫間の横持ち輸送
低い積載率
非効率な配送計画
など、運転以外にもさまざまな時間が発生します。
ドライバーだけに効率化を求めても、荷主側や倉庫側の物流工程が変わらなければ、改善には限界があります。
だからこそ、現在の物流改革ではサプライチェーン全体で物流を見直すことが重要になっています。
2025年度から物流効率化への取り組みが努力義務に
物流効率化法では、2025年度から、すべての荷主・物流事業者などに対して物流効率化のために取り組むべき措置について努力義務が課されています。
国が示している重要な方向性には、
荷待ち・荷役時間の削減
積載率の向上
などがあります。
つまり、
「トラックを増やせば解決する」
という考え方ではなく、
今ある物流をどう効率よく動かすか
という視点がこれまで以上に重要になっています。
2026年4月から「特定事業者」への規制的措置がスタート
さらに2026年4月からは、一定規模以上の荷主・物流事業者などが特定事業者として指定される仕組みが始まりました。
対象となる事業者には、区分に応じて、
中長期計画の作成・提出
定期報告
などが義務付けられます。
特定荷主・特定連鎖化事業者については、物流統括管理者(CLO)の選任も必要です。
これは物流を単なる現場業務ではなく、
企業経営の重要課題として管理する
方向へ制度が変化していることを意味します。
「特定荷主」は年間9万トン以上が一つの基準
荷主企業にとって特に重要なのが「自社が対象になるのか」という点です。
2026年4月からの制度では、前年度に取り扱った貨物の総重量が9万トン以上となる一定の荷主が特定荷主の指定対象となります。
ただし、
9万トン未満なら何もしなくてよい
という意味ではありません。
物流効率化のための取り組みに関する努力義務は、特定事業者だけを対象としたものではないからです。
企業規模にかかわらず、
現在の物流工程に無駄がないか
を確認することが重要です。
物流改革で確認したいポイント1|荷待ち時間
物流効率化を考えるうえで、まず確認したいのが荷待ち時間です。
例えばトラックが工場へ到着しても、
「まだ製品が完成していない」
「積み込み場所が空いていない」
「前のトラックの荷役が終わっていない」
といった理由で待機すれば、その時間も物流全体の負担になります。
改善を検討する場合には、
トラック到着時刻
出荷準備完了時刻
荷役開始時刻
荷役終了時刻
などを確認し、どこで時間が発生しているのかを把握することが第一歩です。
ポイント2|荷役時間
トラックが到着した後の積み込み・荷降ろしにも時間がかかります。
ここで重要なのは、
ドライバーだけの問題として考えないこと
です。
例えば、
出荷する貨物が倉庫内に分散している。
必要な商品がまだピッキングされていない。
積載順序が決まっていない。
荷役スペースが確保されていない。
こうした状態では、トラックが到着してから作業を始めることになり、荷役時間が長くなります。
輸送効率を高めるには、トラック到着前の倉庫側の準備も重要です。
ポイント3|積載率
物流効率化では、トラックの積載率も重要な指標になります。
例えば大型トラックを使用していても、荷台の一部しか使用していなければ、輸送能力を十分に活用できていません。
ただし、
積載率を上げればよい
と単純に考えるのも適切ではありません。
貨物には、
重量
容積
形状
荷姿
納品時間
配送先
など、それぞれ異なる条件があります。
重要なのは、貨物条件を踏まえながら、使用する車両や配送方法が適切かを確認することです。
ポイント4|「横持ち輸送」を確認する
企業物流を見直す際には、横持ち輸送にも注目したいところです。
例えば、
工場
↓
一時倉庫
↓
加工拠点
↓
別の出荷倉庫
↓
納品先
という物流になっている場合、拠点間を移動するたびに、
車両手配
積み込み
輸送
荷降ろし
が発生します。
もちろん必要な横持ち輸送もあります。
しかし、
「昔からこの流れだから」
という理由だけで続けている工程があるなら、見直す価値があります。
ポイント5|保管・流通加工・輸送を一つの流れとして考える
物流工程を分解すると、
入庫
↓
保管
↓
ピッキング
↓
検品・梱包などの流通加工
↓
出荷準備
↓
積み込み
↓
輸送
という流れになります。
それぞれを別々に最適化しても、工程間の連携が悪ければ物流全体として効率的になるとは限りません。
例えば倉庫料金だけを安くしても、その倉庫が工場や配送先から遠ければ輸送コストが増える可能性があります。
反対に輸送費だけを削減しようとしても、荷待ち時間が増えれば別の負担が発生します。
物流改革では、部分最適ではなく全体最適で考えることが重要です。
一貫物流なら必ず効率化できるわけではない
保管・流通加工・輸送を一社へまとめれば、必ず物流コストや労働時間を削減できるわけではありません。
重要なのは、
工程間の移動を減らせるか
連絡窓口を整理できるか
荷待ちを減らせるか
出荷準備と輸送を連携できるか
などを確認することです。
条件が合えば、一貫物流によって物流工程を整理しやすくなる可能性があります。
「一社へ任せること」そのものを目的にするのではなく、現在の物流フローを改善できるかで判断することが大切です。
ポイント6|物流拠点の立地を見直す
物流効率化では、倉庫の場所も重要です。
例えば、
工場から遠い。
主要配送先から遠い。
高速道路ICまで時間がかかる。
といった物流拠点では、日々の輸送距離が長くなる可能性があります。
中一陸運の駒形物流センターは、北関東自動車道・駒形IC出口に隣接する物流拠点です。
物流拠点を選ぶ場合には、
倉庫賃料だけではなく、工場・高速道路・配送先との位置関係
まで考える必要があります。
ポイント7|デジタル化は「導入すること」を目的にしない
物流DXも物流改革を支える重要な手段です。
物流業界では、
デジタルタコグラフ
ドライブレコーダー
WMS
配車管理システム
AIによる配送ルート最適化
など、さまざまな技術が利用されています。
しかし、
システムを導入すれば物流改革が完成する
わけではありません。
まず、
「どこで待ち時間が発生しているのか」
「どこで二重入力が起きているのか」
「なぜ横持ち輸送が必要なのか」
「なぜ積載率が上がらないのか」
を確認し、その課題に適した技術を選ぶことが重要です。
中一陸運ではデジタルタコグラフ・ドライブレコーダーを活用
中一陸運では、トラックの安全管理にデジタルタコグラフとドライブレコーダーを利用していることが公式採用情報で案内されています。
また、定期的な確認会議や安全教育にも取り組んでいます。
ただし、中一陸運がAI配車やWMSなどのすべての最新物流システムを導入していることまでは公式情報で確認できません。
そのため、
確認できる技術と、物流業界全体で普及している技術を分けて考えること
が重要です。
2026年4月には「トラック適正化二法」の一部も施行
2026年の物流業界で確認しておきたい制度は、物流効率化法だけではありません。
2025年6月に公布された、いわゆる**「トラック適正化二法」**についても、一部の規定が2026年4月1日に施行されています。
国土交通省によると、主な内容には、
違法な白トラ利用に関する荷主等への規制
委託次数の制限に関する努力義務
貨物利用運送事業者への書面交付義務等の適用
などがあります。
背景にあるのは、トラックドライバーの適切な賃金確保やトラック運送業界の質の向上、そして物流の持続可能性を確保するという考え方です。
物流改革は、
「ドライバーの労働時間を管理する」
という段階から、
「荷主・元請・実運送事業者を含む物流構造そのものを適正化する」
段階へ進んでいます。
荷主企業も物流を「経営課題」として考える時代へ
これまで企業によっては、
「物流は物流部門に任せている」
「配送は運送会社の仕事」
と考えていたかもしれません。
しかし物流効率化法では、一定規模以上の特定荷主・特定連鎖化事業者に**物流統括管理者(CLO)**の選任が求められています。
これは物流が、
調達
生産
在庫
販売
経営
と密接に関係しているためです。
例えば営業部門が短納期を約束すれば、物流部門の負担が増える可能性があります。
工場の生産計画が変われば、トラックの待ち時間に影響することがあります。
在庫拠点を増やせば配送距離は短くなっても、拠点間輸送が増える可能性があります。
だからこそ物流を、一つの部署だけではなく経営全体で考えることが求められています。
自社の物流を確認する10項目
2026年の物流環境を踏まえ、企業は次の項目を確認してみましょう。
① トラックの荷待ち時間を把握しているか
② 荷役時間を把握しているか
③ 出荷準備はトラック到着前に完了しているか
④ 車両の積載率に改善余地はないか
⑤ 不要な横持ち輸送が発生していないか
⑥ 倉庫の立地は現在の配送網に適しているか
⑦ 保管・流通加工・輸送が分断されていないか
⑧ 定期便とチャーター便を適切に使い分けているか
⑨ データを物流改善に活用できているか
⑩ 法改正への対応を物流部門だけに任せていないか
一つでも課題が見つかれば、物流体制を見直すきっかけになります。
中一陸運の一貫物流で企業物流を支える
中一陸運株式会社は、群馬県伊勢崎市を拠点に、1963年の設立以来60年以上にわたり物流事業を展開しています。
現在では、
輸送
一般倉庫
重量物クレーン倉庫
流通加工
海上コンテナ輸送
アーカイブ事業
など、企業物流を支えるさまざまなサービスを展開しています。
中一陸運の強みは、一つの物流機能だけを見るのではなく、
保管・流通加工・輸送
を組み合わせて相談できることです。
例えば、
「倉庫間の横持ち輸送が多い」
「出荷前作業とトラック手配がうまく連携していない」
「物流拠点そのものを見直したい」
といった課題では、一つひとつの料金を比較するだけではなく、物流フロー全体を見る必要があります。
法改正を「対応コスト」で終わらせない
物流関連法令への対応というと、
「また管理業務が増える」
と感じる企業もあるかもしれません。
しかし物流工程を見直すことは、
荷待ち時間
荷役時間
横持ち輸送
積載率
物流拠点
情報共有
など、これまで見えにくかった物流課題を発見する機会にもなります。
法令対応だけを目的にするのではなく、
「自社の物流をより持続可能な形へ変える機会」
として捉えることが重要です。
「これからもずっと Only One Nakaichi」
2026年の物流改革では、運送会社だけに改善を求めるのではなく、荷主・倉庫・物流事業者などが物流全体を見直すことが重要になっています。
物流を変えるために必要なのは、
トラックを増やすことだけではありません。
荷待ちを減らす。
荷役を見直す。
物流拠点を見直す。
不要な横持ちを減らす。
保管と流通加工と輸送をつなぐ。
必要なデジタル技術を活用する。
こうした改善を積み重ねることが、持続可能な物流につながります。
「これからもずっと Only One Nakaichi」
中一陸運株式会社は、60年以上培ってきた物流経験と、保管・輸送・流通加工を組み合わせた物流サービスを活かし、変化する物流環境に向き合う企業の物流課題を支えてまいります。
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